Grünewald / グリューネヴァルト


 「グリューネヴァルト」は 松本ウインズコンソート 第10回記念演奏会 のために委嘱され創作したもので、そのタイトルはドイツの宮廷画家として活躍したマティアス・グリューネヴァルト ( Matthias Grunewald ) から採用いたしました。グリューネヴァルトは1470年頃にドイツ中部のアシャッフェンブルクで生まれ、1508年頃マインツ大司教の宮廷画家に就任し、「イーゼンハイム祭壇画」の制作後、新任のアルブレヒト・フォン・ブランデンブルク大司教に仕えました。1525年にはドイツ農民戦争に同調したため宮廷画家を解雇され逃亡、1528年ドイツ北東部のハレでペストにかかり死亡しています。

 本名はマティス・ゴートハルト・ナイトハルトです。


 グリューネヴァルトの代表作である「イーゼンハイム祭壇画」を題材として、大作曲家、ヒンデミット ( Paul Hindemith ) が、「交響曲 画家マチス」を作曲しています。各楽章には絵のタイトルが付けられており、「天使の合奏 1楽章」「キリストの磔刑 2楽章」「聖アントニウスの誘惑 3楽章」(解説によっては異なったタイトルが邦題となっています)で構成されています。

 その「交響曲 画家マチス」に触発され、友人を介して「イーゼンハイム祭壇画」を調べ、松本ウインズコンソートの皆さんからの委嘱と相まって、「グリューネヴァルト」の創作に着手致しました。

 作品は、ヒンデミットの作品と順序は違うものの、同じ絵画を題材とし、「キリストの磔刑」「天使の合奏」「聖アントニウスの誘惑」の順に、単楽章で構成されています。


 初演は2002年6月16日(日)、作曲者自身の指揮で、松本ウインズコンソートの皆さんによって行われました。


BOCD-7470-7471に収録されています。