Sudden Glory / サドゥン・グローリー



 この作品は2010年3月に作曲され、同年12月15日、レイ・E・クレーマー(Ray E. Cramer) 氏指揮、武蔵野音楽大学ウインド・アンサンブル演奏会にて初演されました。

 2009年、クレーマー先生のお嬢様、ヘザー(Heather)さんが急逝され、追悼のための作品をということで大学時代のお嬢様と同窓生だったロミネス(Romines)御夫妻からの委嘱で創作を致しました。

 ヘザーさんは、かつてはホルン奏者でもあり、トライアスロンを特技とする活発なお嬢さんでした。御結婚後はベトナム人と中国人の子供を養子に迎え、御家族みんなでハイキングをする等し、とても幸せな御様子でした。そうした事もあり、作品は出来るだけ悲しい作品にならない様にとのお話があり、上記のイメージを元に創作に取りかかりました。

 作品は自由な形式の元に書かれ、冒頭は短く悲しみを表し、そして静かに神に召され天に昇る様子を表したつもりです。その後テンポが変わり、養子に迎えた子供たちと一緒に遊んだりハイキングをしたり,楽しかった出来事の様子です。更に中間部では、お嬢さんの結婚式で演奏された作品の中から聖歌「Come, Thou Fount of Every Blessing」を選び、組み入れました。御家族の大切な思い出のワンシーンを感じ取って頂けたら嬉しく思います。エンディングに向かっては、トライアスロン競技で自転車に乗り風を切って疾走し、ゴールインする様子です。作品全体としてはホルンが活躍する場面が多く見られますが、それはヘザーさんがホルン奏者だった事に基づいています。

 お嬢様の活動的でそして幸せだった人生の一部を、大袈裟ではありますがこの作品に凝縮したつもりです。演奏される方々も含め、聴衆の方々にその一端でも感じ取って頂けますならば幸いです。


 ちなみに、本作品のタイトルはクレーマー先生御自身によって命名して頂きました。先生はクリスチャンである事、またお嬢さんの逝去はあまりにも急だった事、神に召される事は名誉・栄光である事などの理由から「サドゥン・グローリー(Sudden Glory)」と名付けられました。そして、改めてロミネス御夫妻からクレーマー御夫妻と御家族の皆様に楽譜が献呈されたこの作品ですが、献呈者のお名前の横に作曲者自身の名前も加えて頂けましたら大変光栄に感じるところです。

 最後になりましたが、本作品初演にあたり大変御尽力下さった武蔵野音楽大学の皆様に深く心より感謝申し上げます。有り難う御座いました。


 2010年12月20日、練馬文化センターにおいて、クレーマー先生指揮、同ウインドアンサンブルの皆さんによって再演されました。



 右の写真はベルギーのメトロポリ社から出版された楽譜の表紙です。(2011年出版)

 左の写真は国立音楽大学ブラスオルケスタのライブ録音版です。

 2011年12月、シガゴ市で開催されたミッドウエスト・インターナショナル・バンド・アンド・オーケストラ・クリニックのプログラムで「Sudden Glory」を演奏して頂きました。