組曲 千羽鶴に願いを込めて
1. 千羽鶴の嘆き
2. 千羽鶴の詩
3. 千羽鶴の行列
4. 千羽鶴の踊り
2005年4月に完成されたこの作品は、NEC府中吹奏楽団 第30回定期演奏会記念のために委嘱され、同年6月12日に府中市芸術劇場ドリームホールにて初演されました。
日本では、病気治癒の祈願のため、また合格祈願、勝利祈願など、様々な場面で千羽鶴が折られ、目にする機会も多々あります。折り紙で1枚ずつ鶴を織り上げて制作するのですが、千羽ともなるとその願いの強さは計り知れなく、非常に心のこもった千羽鶴が出来上がります。そして幸いにして願いが叶った場合はうれしさが倍増しますし、不幸にしてその願いが叶わなくなった時は非常に強く悲しみを覚えます。また、協力して制作したならば、お互いのコミュニケーションも深くなりより強固な信頼が生まれます。
千羽鶴の風習は、日本の大切な文化ではないかと感じています。
昨今、地球上では紛争が絶えません。無益な争いが絶えません。罪のない人たちが、特に将来ある子供たちがその紛争に巻き込まれて尊い命を失っています。また嘗て無い自然災害も多々発生し、家族や友人らを失っています。人為的災害も多くなりました。
さらにニュースに耳を傾けると毎日のように殺人事件が発生しています。悲惨な状況であることは誰しもが気づいていると思います。何か地球が病んでいるようにしか感じられなくなってきています。人々もどこかしら間違った方向に進んでいるのではないかと疑問を感じてしまうことも多々あります。
今ここに一人一人が心に千羽鶴を折るならば、エゴイズムを捨て去ることが出来るならば、平和な社会が訪れるのではないかと作曲者自身は沸々と感じています。
この作品が、あらためて平和を考え直す小さなきっかけにでもなれれば、作曲者として大変嬉しく思います。
写真は、今回の演奏会に向けて団員の方々が心を込めて製作した千羽鶴です。
Suite: Wishing peace on Sembazuru (Chains of 1000 folded paper cranes)
1. Grief of Sembazuru 2. Poetry of Sembazuru 3. Procession of Sembazuru 4. Dance of Sembazuru
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