Caprice / カプリス



 この作品は、アマチュアの演奏団体、「蔵八(相模原市民吹奏楽団クラリネット・アンサンブル)」による委嘱作品で、編成は1 Eb Cla,  4 Bb Cla, 1 A.Cla, 1 B.Cla, 1 Cb.Claの八重奏曲となっています。

 2002年8月に創作され、同団体によりアンサンブル・コンクールにて初演されました。また、2004年8月には「オブロー・クラリネット・アンサンブル」によりレコーディングされ、2005年4月6日に発売されたCD「オブローの魔法使いの弟子」(KOCD-2514)に収録されています。

大きく急緩急に分けられますが、Allegro moltoに始まり、 Allegretto, piu mosso e accele.,と変化しAndante,、に入ります。そしてその後再び冒頭のテーマに戻り、Allegoro molto のまま終了します。技術的にはやや高度なものを要求されますがアンサンブルコンテストでもよく採り上げられています。


 以下CD解説より抜粋

 戸田作品を紐解くにあたってわすれてはならないのは、彼の原風景ともいえる青森の大自然である。十和田湖や八甲田山に代表される青森の魅力は厳しい自然環境の中で研ぎ澄まされた生命の美しさ・・・・そして戸田作品はそれの凝縮形といっても過言ではない冒頭の吹き荒れる嵐のような音楽が中間部で一転して、風が止み、湖面に映る青空を思わせるような清々しい音楽に変化していくあたりは、まさに青森の大自然そのものといえよう。「寒さの中に隠れている暖かさ」は彼の決めぜりふかもしれない。アンサンブル・コンテスト用に委嘱されたという背景を持ちながらもそれだけに留まらず、叙情小品としての趣の深さを持たせたのは、まさか作曲者の気まぐれ カプリスという訳でもないだろう。


 右の写真はブレーン社さんから発売になりました楽譜です。