1997年9月に作曲されたこの作品は、故 フランク・ベンクリシュートー博士 ( Dr. Frank Bencriscutto ) に捧げられ、初演は作曲者本人の指揮、松本ウインズ・コンソートによって同年10月に行われた。図らずも、初演は、米国における博士への追悼演奏会と全く同じ日に開催された。
故 フランク・ベンクリシュートー博士は武蔵野音楽大学客員教授として度々来日し、1995年には作曲者自信によって長野県松本市へ招聘され、クリニック・コンサートを開催し、以後、両氏は深く親交を結んでいたが、1997年8月、Dr.Benは帰らぬ人となり、その追悼のために作曲されたのがこの作品である。
技術的には演奏困難な部分は全く見あたらないが、叙情的深さのある作品で、作曲者の落胆する気持ちが良く表れている作品である。